利用者から介護職員への暴力・セクハラ被害

介護職員が、利用者から暴力やセクハラ被害を受けている、または受けたことがある、という話を良く耳にします。
介護職員は女性が多いですよね。女性に支えられていると言っても良い業界です。
良くあることなんだから女が我慢すればいい、という時代ではありません。
暴力やセクハラは立派な犯罪です。犯罪の危険から職員を守るのは運営事業所の務めです。

利用者世代の男性の意識をすぐに変えることは、正直難しいでしょう。
かと言って、このまま放置する訳にはいきません。

そこで、少しでも被害を減らすにはどうすれば良いか、行政書士の立場から考えてみました。

契約書を武器にしよう

利用者の暴力やセクハラを完全に無くす事は難しいですが、事業所側に介護職員を守る対抗手段が欲しいですよね。
そこでご提案したいのは、『利用者との契約書の内容を見直してみてはいかがでしょうか?』ということです。

例えば、埼玉県のホームページには介護事業用のモデル契約書が掲載されていますが、その中の「契約の終了」の項目の一部は、次のように書かれています。

次の事由に該当した場合は、事業者は文書で通知することにより、直ちにこの契約を解約することができます。
1.利用者のサービス利用料金の支払が●ヶ月以上遅延し、料金を支払うよう催告したにもかかわらず●日以内に支払われない場合
2.利用者又はその家族が事業者やサービス従業者に対して本契約を継続し難いほどの背信行為を行った場合

本契約を継続し難いほどの背信行為」が何を指すのかが分かりづらいので、これでは事業者は介護職員を守りづらいですよね。
そこで、具体的な1文を追加してみました。

2.利用者又はその家族が事業者やサービス従業者に対して本契約を継続し難いほどの背信行為(介護職員や他の利用者に対する故意による暴言・暴力行為等並びにセクハラ行為等)を行った場合

本契約を継続し難いほどの背信行為」の内容を明確にすることで、介護職員が受けた暴言・暴力・セクハラに対して、契約解除の通知を行いやすくなります。

ただし、この1文さえ入れればすべて解決する、という訳ではありません。

認知症の利用者であれば、どこまでが故意でどこからが故意でないのかの判断は難しいですし、事業所側の介護職員を守ろうという意思が弱い場合には、契約解除してくれないこともあると思います。

小さな小さな手段ですが、それでも、どこかの誰かに届くことで少しでも被害が減らせれば、と願っています。